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  • コールセンター考, ビジネス ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ はコメントを受け付けていません

    電話対応でよく使われる
    「ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ」
    というフレーズは、場合によっては無責任なフレーズにはならないでしょうか?

    小規模の企業であったり、ユーザーに応じたカスタマイズをしたプログラムに関するお問い合わせの場合はまったく問題はありません。

    しかし、何十万台、何百万台を出荷しているパソコンであったりスマートフォンのサポートや、
    同じく、何百万人、場合によっては何千万人も利用しているビジネスソフトウェアであったりスマートフォンのアプリのサポートで、利用しているユーザー全員が「お気軽に問い合わせ」をしたら、どうなるだろう?

    もちろん、実際に問い合わせをしてくるユーザーは限られている。
    だから、パソコンメーカーやソフトウェアメーカーは問い合わせに忙殺されることなく利益を出すことができる(たぶん)。
    それを見越して、
    「ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ」
    と伝えているのだとは思う。

    しかしそれは、誠実さに欠ける無責任なフレーズとは言えないでしょうか?

    なぜならば、実際に問い合わせをしてくる一部のユーザー向けに伝えている言葉、ということになり、問い合わせをしてこない多くのユーザー向けの言葉ではないからだ。
    表向きは全ユーザー向けに「ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ」と伝えているとしても、ユーザー全員が「お気軽に問い合わせ」したら、窓口がパンクするはずだからだ。


    次の視点は、
    問い合わせをしてくる一部のユーザーのみ「お気軽に問い合わせ」してもらうというのは、公平性があるのか?
    ということだ。

    マニュアルを見ればすぐにわかることを何度も問い合わせてくる、同じことを何度も問い合わせてくる、スマートフォンで文字を入力する方法がわからない(例えば、スマートフォンのアプリのサポートの窓口で案内する内容ではない問い合わせをするユーザー)、などのユーザーの対応に時間を取られることは、ほかのユーザーの不利益にならないか。
    これらの対応に取られる時間を、ユーザーの要望を聞いたり、製品開発やアップデートに振り分けたり、マニュアルやFAQの充実に費やしたほうが、すべてのユーザーの利益になるのではないか、ということだ。

    上述した内容から言いたいことは、
    ユーザーにもそれなりのリテラシーを求めたほうがよいのではないか?
    ということだ。

    各メーカーのWEB上にある問い合わせ窓口の案内では、ほぼ確実に、
    FAQの情報を確認しましたか
    という主旨の文言の記載がある。

    極端な話、問い合わせを受けた冒頭で「FAQの情報を確認しましたか」「マニュアルはご覧いただけましたか」と聞いてもいいくらいだ(-_-;)

    また、サポート範囲はしっかりと明確にし、ユーザーにも把握してもらうべきだろう。
    例えば、スマートフォンアプリのサポート窓口で、文字を入力する方法は教えない、などだ。

    日本のサービス業のサービスは素晴らしい、と巷間よく言われていることと思う。
    しかし、お客様を子ども扱いし、手取り足取り何でも世話を焼いてあげる、という傾向はないだろうか。
    わかりやすい例で言えば、日本ではないのですが(-_-;)、フィリピンなどで有名な殿様ダイビングというスタイル。
    本来、お客様やユーザーがやるべきこと、やったほうがいいこともスタッフがやってくれてしまう。

    このような対応は、お客様やユーザーを(言葉は悪いが)つけ上がらせてしまう、(横文字だが)スポイルしてしまう、(上から目線だが)甘やかしてしまう。
    一度甘えが染みついたお客様やユーザーは、ダイビング以外の場でも店の人が何でもやってくれることを期待するようになってしまう。
    それは人間の性だw 誰だって、楽な方向へ流される。

    ダイビングであれば、1回数千円とかかかるので、ペイするかもしれない。しかも平均年収に差があればなおさら。
    では、1つ数百円のスマホアプリであったり、1度購入したら数年間は保証期間内となる数万円程度のパソコンのソフトウェアの場合はどうだろう。利益率の問題もある。

    世話焼きサポートをする人が一人でもいれば、お客様はそれを期待するようになる。
    それがお客様の要求を助長し、潜在的クレーマーを増やす。象徴的に聞かれる言葉はこうだ。

    前の人はやってくれたよ!

    コールセンターを始めとするサービス提供事業者、サービス提供従事者は、このようなお客様を作っているということを自覚したほうがいい。

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